2019年6月24日月曜日

“軸”について考えてみる。



こんにちは。


久保田隆介です。






さて、
たまにはトレーニング系のことでも
書いてみようかと思います。






施術家に限らず、
トレーナーの業界でも
ミーハーワードっていうのは
多々あると思います。


しっかり考えている人が使えば
それはキーワードになるし、
何も考えていないような人が使えば
それはミーハーワードになります。






今回は、

『軸』

について書いてみようと思います。






まず大前提として、
軸なんていうものは存在しません。






大多数の人のイメージの中で




こんな感じとか




こんな感じとか




あるいはこんなイメージだと思います。






で、
いわゆる軸系とか体幹系のセミナーの
参加者を見ていると


軸が意識できるようになりました!!


軸の感覚がわかりました!!


体幹の重要性がわかりました!!


みたいな投稿を
よく見かけるのですが、、、






これはまさに施術家が


筋膜が!!


頭蓋が!!


脳脊髄液の流れが!!


とか言っているような、
クソみたいなリテラシーに
基づいた発言と同じなんですよね。






力が入りやすくなる感覚なんて、
一時的なもので良ければ
いくらだって変化は出せます。






例えば、
相手と押し合うようなワークとか、
簡単なステップワークをやるとして


適当に腹筋運動をしたって


適当に背筋運動をしたって


適当にスクワットをしたって


何だって力は入りやすくなります。






ですから、
「〇〇メソッドすげー!!」
みたいに一喜一憂する必要性は
まったくないんですよね。






で、
冒頭にも書きましたが、
大前提として、
軸なんていうものは存在しません。






例えば、
白い紙を“無”と表現するとします。


そして、
およそ紙の中心のごく一部だけを
塗らずに残して、
あとの部分は全部黒で塗り潰したとします。


そこで、
「白はどこでしょうか??」
と聞かれれば、
誰もが真ん中の白い部分だと
認識することができますよね。


ですが、
そこが“無”であることに変わりはなく、
取り巻きとのコントラストによって
白が強調されているに過ぎません。


これ↑
ちゃんと頭に入れておいてくださいね。






で、
軸の感覚っていうのが、
『無~白』の話とよく似ています。


軸なんていうものは
そもそも存在していないのですが、
何かとのコントラストによって、
“中心に在るもの”
という偶像になぞらえた結果、
その感覚を“軸“として表現したに過ぎません。






例えば


前後or左右の筋出力のバランスが
それまでよりも
均衡が取りやすくなった


何かしらの筋肉を賦活化することで
それまでよりも
規定位置からの重心点の逸脱が
起こりにくくなった


必要な可動性を獲得することで
適正なアライメントへの
能動的コントロールがしやすくなった


みたいな何かしらの変化が起こることで、
それまでの状態とのコントラストが
前向きな感覚として強調された状態を

“軸”

と表現しているに過ぎないと考えています。






痛みの治療と大きく違うのは、、、


症状の変化率が大きいからといって
アホみたいに喜んでいても、
実は痛みの存在を無碍にすることが
そもそも真理ではない


とかっていうようなことを
考えるウェイトが
若干薄れても良いということです。






ADLでもスポーツのパフォーマンスでも、
一番大事なのは本人の主観ですからね。

(記録や数値的な話はさておき。)






えっ?
痛みも本人の主観が大事じゃないの??


なんて思うかもしれませんが、
痛みに関しては、
能動的感覚だけに重きを置いて
社会性などを加味しないとなると、
真理とは遠ざかってしまう可能性も
ありますからね。


パフォーマンス関連の案件と比べると、
性質がまったく違うということです。






とりあえず今回の内容をまとめると

□軸は存在しない。

□それまでの状態とのコントラストで
 体感し、表現されるもの。

□良し悪しはさておき、
 主観が大事だということ。

そんな感じです。






“軸”っていう要素に
重きを置くトレーナーもいれば、
そうではないトレーナーもいますが、
自分としてはどっちでもいいです。


ただ、
そもそも大前提として、
軸なんていうものは存在しないわけで、
それを体得しようとすることに
重きを置こうとしてしまうようなことが
もしあるとすれば、
それは雲に触れようと必死になってしまうのと
同じようなことだということです。


無いものは、無いですからね。






治療でもトレーニングでも、
どれだけメジャーなワードだとしても、
ちゃんと俯瞰して考える感性は
備えておきたいですよね。


リテラシーや思考力は、
やはりどの分野を学ぶにしても
絶対条件だということです。






深く考えないで
「軸を意識するのは大事だよー!!」
とか言っちゃってる運動指導者、
あるいは運動指導者まがいの施術家。

いきなり街中で
「ちんぽー!!」
って叫ぶのと同じくらい恥ずかしいぜ。






最後に一言、、、


これがトレーニング系の話だったのか??
という点については
スルーでお願いします。笑







それでは。

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